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ヒラリー(レイチェル・グリフィス)とジャクリーヌ(エミリー・ワトソン)
ビートルズが世界を席巻していた1960年代、イギリスからもうひとりのスーパースターが出現した。その名はジャクリーヌ・デュ・プレ、英国音楽界の至宝と称されたチェリストである。死してなお衰えぬ人気とは裏腹に、あまり知られてこなかったその私生活を知りたいという人は多いはず。というわけで、この映画『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』は、「16才でデビューしてから瞬く間に国際的な評価を得るものの28才で多発性硬化症のため引退、42才で死去」という不世出の天才の劇的な生涯を描いたもの・・・と見せかけて、じつは『ヒラリーとジャッキー』という原題の通り、ジャクリーヌの姉・ヒラリーとの生涯を通じた姉妹愛がメインテーマなのですね。それこそウィキペディアを読めば知りうるエピソードは駆け足ですすむため、時間軸の把握がやや困難なつくりになっています。ようは、ヒラリーとの交流が途絶えていた時期の描写がはしょられているんですね。その代わり、「優秀な姉」から「天才の妹を持ってしまった凡人」となり、すべてが変わってしまったあの日までの、すべてをふたりで分かち合い、テレパシーのようになんでもわかりあえた少女時代の描写が、このうえなく幸福な記憶として作品中に繰り返し出てきます。物語の終盤、もはや命の火が尽きかけ、発作を起こすジャッキーを抱きかかえながら、ヒラリーはあの頃の想い出を語って聞かせます。鑑賞するわたしの涙腺が決壊する素晴らしいシーンです。

自慢の姉と同じポジションに立ちたくて、ひたすら練習した幼い日々。チェロはジャッキーの天賦の才を開花させ、信じられないほどの富と名声をもたらしてくれると同時に、最愛の姉と引き裂かれる生活をももたらしました。極度のホームシックにかかりながら初の演奏旅行を終えて帰宅したジャッキーに、ヒラリーは「恋人から求婚された」と打ち明けます。狼狽し、きつい言葉を投げつけるジャッキー。やがてジャッキーもピアニスト・指揮者として名高いダニエル・バレンボイムと結婚しますが、チェリストとしてではなく、ありのままの自分を見てくれない彼に不満を募らせ、演奏旅行をすっぽかして姉夫婦のところへ逃げ込みます。そこでジャッキーは、ヒラリーに「あなたの夫と寝たい」と持ちかけるんですな。このあたりが「わざわざ描かなくても良い私生活を暴露するのは下品である」と批判されたようですが、わたしはジャッキーが、どれだけヒラリーに愛されているのかを測ろうとしたのではないかと解釈しました。もちろん最初は拒否するヒラリーですが、ジャッキーが度々起こす自傷的な行為を見かねて、夫にジャッキーを抱くよう願い出る。もちろん夫は拒否しますが、ついには根負けしてしまう。とまぁ、内容はこのあたりで措くとしまして。



リリ・ブーランジェに関するエッセイ二編 日本語訳

ヒラリーとジャッキー姉妹を見ていてどうしても思い出すのが、門下生リストがそのまま20世紀の音楽史になりうると言っても過言ではない音楽教師・ナディア(前述のバレンボイムもその生徒のひとり)と、天才作曲家と目されながら24才の若さで没したリリのブーランジェ姉妹です。ブーランジェ姉妹の仲睦まじさも非常に有名で、終生独身であったナディアは、その生涯を通じてリリの作品を広めることにも努めました。

ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ 原題 : hilary and jackie 製作年 : 1998年 製作国 : イギリス

                                     林茉莉

hilaryandjackie.jpg
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【2008/12/08 13:42 】
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